前へ
画廊へ
  • 切り替え
  • 切り替え

でも、虚空は穏やかな瞳で見つめ返してくる。
その瞳が大人びていて、胸がざわつく。
もう怒ったふりができなくなりそうだった。

そして、掴んでいたわたしの手の上に、
虚空は、自分の手を重なり合わせてきた。

沙耶「こ、虚空!?」

重なった手を虚空は握り締める。

わたしよりも少し小さい手のはずなのに、
なぜか大きく感じてしまう。


虚空「……沙耶、もう一度言ってください。
   弱い、私が一歩踏み出せるように……」

沙耶「そんなの……何度だって言うよ。
   虚空が好き、ずっと一緒にいたい」

ふわり、と首を傾げ虚空は優しく笑う。