
| ふふふ~ん♪ |
| 主座様、頼まれていた書類です |
| おお、くぅたん。仕事が早いね。 ん? 妹よ、不審者を見る目で兄を見つめて どうしたんだい? |
| 機嫌がいい愚兄、まじきもい |
| 妹よ。その発言は人によってはご褒美と 受け取られるから、言うのはこの兄だけに 留めておくのだよ |
| 帰っていいですか? |
| まぁ待ちたまえ。くぅたんも一緒に答え合わせを しようじゃないか |
| 答え合わせ……?? |
| あれ……僕が書いたのとだいぶ違うね。 なんで?? |
| 私とくぅたんは、暁に『なんで??』って気分なんですけど |
| 一応愁に確認を取って書いたものなので間違いは ないと思いますよ? |
| おっかしぃなぁ…… |
| おかしいのはお前の頭だ |
| 主座様の顔を見たくないと私に書類を押し付けたくせに どうしたのですか? |
| 嫌な予感がしたからな |
| まぁこれは僕の趣味の一環なのだし、僕が書いた方を 愁君の公式プロフィールにしても別にいいよね |
いいわけあるか。暁の方は燃やそう |
| ここ火気厳禁だよ。 また藍ちゃんに消火器で頭殴られたいの? |
| ごめんなさい、もうしません、ごめんなさい |
| 出来ないことはもうしません、なんて言わないほうが いいですよ。愁はイライラしたらすぐ主座様を燃やそうと するじゃないですか |
| 最後だけ聞くと愁君はものすっごく 猟奇的な人物のように誤解されそうだね。 やーい、放火魔ー |
| どうにかしてくれませんか? |
| どうにかなる愚兄なら、どんなに良かっただろうか…… |
| 僕は愁君が放火魔だろうとなんだろうと一番の親友で あり続けるから安心したまえ。友情は永遠に不滅さ |
| きもちわるい……きもちわるい…… |
| はいはい、みんな知ってます。 主座様、そろそろ失礼しますね |
| ちょい待って。 このさ、苦手のところどういう意味? 動物アレルギーじゃなかったよね |
| ……小さいから触るのが怖いんだ |
| 実にあざとい。 だが、愁君が狙ってこういう発言できる人物でないことを この地球上の誰よりも理解している僕は許せるよ |
| (正直に伊織の家関連のことと書くよりまだマシでしょう。 我慢なさい) |
| (わかってる。帰りたい……) |
| しかし、趣味がないというのは嘘だね。 正直に従妹改め嫁の観察とでも書いたらどうだい? 僕の趣味【妹観察】とおそろいさ! |
| 変態の仲間に入れようとするな |
| しかし、強く否定出来ない愁一郎であった |
| 家にいて、目を開けてる時はだいたいあの子を 視線で追ってますからね。 無自覚でしたか? |
| ……うん |
| この調子で愁君のプロフィール改訂版を作っていこうか。愁君、今日は帰さないからね! |
| 最悪だ…… |
| 私は帰っていいですよね |
| 私も帰ろうっと。 あ、愁君がいないなら、お泊り行っちゃおうかな~ |
| あの子もきっと喜びます。 寿司でも取って家事から開放してあげましょう |
| ………… |
| 主を見捨てることに抵抗を感じなくなった 護法童子に対する感想は? |
| 察しろ |